Wave distiller取扱説明書

 Wave distillerの取扱説明書です。まずは、画面上の各機能についての説明です。
・①;スペクトログラム表示エリア
 波形のスペクトログラムが表示されます。スペクトログラムとは、音に含まれる周波数成分を視覚化したもので、下に行くほど周波数が低く、上に行くほど高い周波数の成分が表示されます。音は、左から再生されますので、たとえばこの画像ですと、これはピアノのA4(ラ)波形(波形はこちら→魔王魂様(https://maoudamashii.jokersounds.com/))なのですが、一番下が約440Hz、その上にある成分群は、440の整数倍の周波数を持つ倍音群です。
 左クリックすると、取り出したい成分の周波数を43Hz刻みで自動的に取得できます。もし、周波数が判明している場合には、正確な値を入力することをおすすめします。

 右クリックすると、波形を読み込むファイルダイアログが表示されます。

・②;倍音波形表示エリア
 取り出した倍音の波形が表示されます。
 青い色の領域で左クリックすると、周波数を変更する処理用のダイアログが表示されます。変更先の周波数は、たとえば「69(A4)の5倍音」のように、MIDI音符番号と倍音番号で指定します。現在の周波数は、クリックした地点から自動的に取得されるので、必ず青い部分をクリックしてください。
 右クリックすると、倍音をwavデータとして保存するためのファイルダイアログが表示されます。必ず、".wav"という拡張子までつけたファイル名を指定してください。
 倍音編集画面は、20回まで操作履歴を記憶できます。

・その他の操作
スペースキー;波形を再生します。
 CTRL+スペースキー;倍音を再生します。
上下キー;再生時の音量を変更します。

・原理と使い方

 特殊な積分計算に基づいています。波形に自然対数の底eのiωt乗を掛けて積分した後、eの-iωt乗をかけると、周波数ω/2πHzの周波数成分のみが無限大の振幅に強調されて析出します。この析出を表現してdistill、「蒸留」と呼んでいます。計算の実際では、積分ではなく移動平均で計算しています。
 移動平均という計算の特性上、取り出された倍音の出だし部分は、ゆっくり立ち上がる形に変形します。

 そのままでは、単に倍音を取り出すだけで、役に立ちません。Audacityなどの波形編集ソフトとの併用が必要です。Wave distillerで取り出した倍音を、波形編集ソフトで立ち上がり部分を切ったりパンや音量設定を変更して合成して一つの音に仕上げます。


・使用例1 天然のフルート音からの人工フルート音の合成
 右図が、フルートのスペクトログラムと、基本となる1倍音の波形です。

 まず、目立って見える倍音を取り出し、保存して、Audacityなどのソフトウェア上で足し合わせます。特に振幅を操作しなければ、次のような音になります。

人工フルートサンプル1(使用ソフトウェア;Audacity・Reason Lite 10。リバーブ・イコライザ使用)



 次に、隠れている偶数倍音を、wave distillerの力で強引に取り出します。
 画像を目を凝らして見てみてください。光っている部分と部分の間に、薄く線があるのが見て取れると思います。これが、フルートの隠れた「偶数倍音群」です。

 Wave distillerは、このような隠れた倍音でも強調して取り出すことが可能です。

 この偶数倍音群を取り出し、編集・合成したのが、次の音です。

人工フルートサンプル2(使用ソフトウェア;Audacity・Reason Lite 10。リバーブ・イコライザ使用)





・使用例2 様々な倍音を組み合わせる

 様々な楽器音、ノイズの成分、自分で録った音など、あらゆるサンプルから倍音を取り出して新しい音を合成することができます。

・サンプル(バスドラム、ピアノ、フルートの倍音を組み合わせた音です。(使用ソフトウェア;Audacity・Reason Lite 10。リバーブ・イコライザ使用)





・使用例3

 一つの楽器音の倍音を入れ替えて別の音にする(ピアノのA4を組み替えました)。

・サンプル(使用ソフトウェア;Audacity・Reason Lite 10。リバーブ・イコライザ使用)



・その他
 最近はテレビの効果音くらいしか聞きませんが、昔懐かしいオーケストラ・ヒットも作れます。

・サンプル(使用ソフトウェア;Audacity・Reason Lite 10。リバーブ・イコライザ使用)